(元)登校拒否系

反学校、反教育、反資本主義、反歴史修正主義、その他もろもろ反対

自民党の神さまへ



すみません。嘘ついてました。周りに対しても、自分に対しても。これまでに唱えてきたサヨク的な題目は、全て空しいものなのです。

物心ついたころからサヨク的な心情を持っていました。弱いものを愛し、不平等を憎み、不正義を糾弾する。自分はそういう人間だと、ずっと思ってきました。

でもようやく悟りました。それは幻想だったと。なんだかんだ言って、自分と家族さえよければよいのです。どこかで誰かが差別されようと、自分たちが被害を受けるのでなければ些細(ささい)なことです。

今から十数年前、PKO法案が審議されていたころのことです。当時14歳の僕は、サヨク的な理想と日本人であることの矛盾に思い悩んでおりました。反戦デモに誘われたときに、僕は「世界的な不平等の恩恵を受ける日帝中産階級に属する自分が、その構造を支えるための海外派兵に反対する権利はない」などと、いかにもサヨクかぶれが言いそうなことを言って参加を断りました。

なんということに悩んでいたのでしょう。日本人であり中産階級である以上、現在の不平等な世界システムが維持された方がいいに決まっているのです。当たり前じゃないですか。そのために自民党の先生がたは日々尽力されているのです。そのありがたみが、中産階級から転落寸前の今になって、心からよくわかります。

またこういうこともありました。約十年前の話です。当時僕は、大学受験勉強をしていました。このときもまた思い悩みました。

「自分は学歴のためではなく、学びたいことがあるから大学に行くと説明している。しかし、現代社会が大学を頂点として学校を強制するシステムに編成されている以上、大学に行くということは、そのシステムに取り込まれることに他ならない。やはり、大学に行かない道こそが正しい選択なのではないだろうか」

がはははははははははははははは。お笑いですね。バカですね。でもバカな僕は本気でそう思って大学受験をやめました。

その翌年、Iさんに出会いました。年上のIさんは、粋がっていた僕をなだめるように言いました。

「今はそうやって元気に言ってられるかもしれないけど、年を取ってから大変かもよ。二十歳を過ぎればわかると思う。大学に行ったほうがいいんじゃない?」

補足的な情報ですが、Iさんは、僕がこれまでに実際に会った中でダントツで一番の美人でした。僕はIさんに、「いや、そんなことはありません。僕は一生学校に抵抗して生きていく自信がありますよ!」と宣言しました。

その一年後、僕はあっさり大学に入学しました。予言的中。。。

あれからずいぶんと時間が経ち、大学も卒業しました。最近になってしみじみ実感することがあります。あー、大卒でよかったなー。あ、いや、別に今のところは学歴を大して活用できているわけではないのですが、それでも、もし他の条件が同じで、学歴が中卒だったら、きっと今よりもいっそうテンパッていたことだろうと思います。現在非常に不安定な身分で、将来のこととか考えると「どうしよう。。。どうしよう。。。どうしよう。。。」と焦ってしまうのですが、「大卒」という言葉を口にするだけで漠然とした安心感に浸れます。

もちろん、学歴差別は不当なことです。許されるべきではありません。しかし、正直に言って、差別される側よりも差別する側で本当によかった!  踏まれた人間の痛みは踏んでいる人間にはわからない、とホンダカツイチが言っています。至言ですね。いやー、「痛み」のない側でよかった。これからも、チャンスがあれば踏める踏み台は踏んでいこうと思います。

数ヶ月前のことです。僕の身近にいる人が、「そう状態」にありました。あることをきっかけに錯乱した彼は、精神科処方薬をOD*1してしまいました。救急車はすぐに来ました。さすが先進国日本! ところがです。みなさんビックリしますよ。精神科夜間救急の場合、救急車に乗り込んでも、一向に出発しようとしないのです。救急車です。走り出したら合法的に信号無視OKです。でも動かない。止まったまま。止まってるけど救急車。

救急隊員が携帯で病院に電話をかけては受け入れを断られてしまいます。日本一の精神科医療を提供していると言われている某精神病院にも断られました。「医者はいるが胃洗浄をする設備がない」とのことです。それを聞いて僕は、「胃洗浄ってさぞかし大変な処置で、最先端の設備が必要とされるんだろうなー」と思いました。

結局一時間近くたってから、精神病院ではなく内科病院に搬送されることになりました。そこで胃洗浄の処置を受けたのですが、なんと胃洗浄に必要なのは、ゴムチューブ、バケツ、水道水だけだということがわかりました。明治時代の病院にでもありそうな。。。結局、日本一の精神病院の医者は胃洗浄のような汚い作業が嫌だったのかもしれません。

大事には至りませんでしたが、救急車の中での長い時間はとても不安でした。

そこで思ったのですが、僕はかつて「正常」と「狂気」の境界は恣意的なものに過ぎない、とか、精神医療は解体されなければならない、といった主張に共感したことがありましたが、はっきり言ってそんなこと言ってる場合ではありません。今すぐ、「よりよい医療」が欲しい! いつ実現するかわからない根源的な革命よりも、緊急に、「よりよい医療」、「よりよい福祉」、「よりよい行政」が欲しい!

話は変わりますがアメリカのケリー大統領候補。もし当選すれば、ガンを克服した最初の大統領になるのだそうです。ケリーはブッシュ同様、大富豪です。きっと最先端の設備で、何人もの優秀な医療チームによる手術を受けたんでしょうね。想像ですが。そのような地位を、うらやましく思います。

自民党の神さまへ。今までの不信心をお許しください。これからは心を入れ替えます。だからどうか僕にチャンスをください。。。

と、いうわけで、株式投資を始めてみました。


*1:処方量を超えて大量に服用してしまうこと