(元)登校拒否系

反学校、反教育、反資本主義、反歴史修正主義、その他もろもろ反対

「回避マン」新宿徘徊記



初台くんと久々に新宿で交流しました。初台くんは花粉症が発症してつらそうでした。

ヨドバシカメラマルチメディア館で待ち合わせたはいいものの、何をやるのかは決まっていませんでした。しばらく新宿駅西口界隈を無目的にウロウロしているうちに、「ヨドバシの近くにカラオケ館ができたよ」と初台くんが情報提示してきました。僕は基本的にカラオケが好きではありませんが、初台くんと唐松くん*1とだけはたまに行くことがあります。

ヨドバシ周辺まで歩いて戻ることになりました。たしかに新しく「カラオケ館」ができていました。「う〜ん、今の時間(夕方前)ならけっこう安いみたいだね。入ろうか?」と言うと、初台くんは大きな声で「え?」と聞き返して来ました。初台くんは、「いや、行かなくてもいいんじゃない?」と言いました。「ええ?! だってわざわざ15分も歩いてここまで戻ってきたんだよ」と言うと、「うん、でも入るつもりはなかったから」と答えました。ワハハ、初台くん最高! いきなりライト前ヒットが出ました。

その後しばらくウロウロして、工学院大学の隣りにある新宿エステック情報ビルの1階にたどり着きました。ここには誰でもタダで利用できるロビースペースがあり、初台くんとたまにマッタリしに来ます。ベンチに腰掛けて、特に意義のない会話をしました。

僕らの隣りのテーブルには、ホームレス風の男性がいて、統合失調症の陽性症状と思われる挙動を示していました。って医者じゃないのに診断できるわけないやんか! すみません。。。僕はよく、新宿、渋谷などのターミナル駅周辺で、統合失調症患者と思われるホームレスの方の姿を見かけます。「よりよい医療」とか言う以前に、こういう現実があるのですね。昔の僕は、そのような場面に接するたびに、色々と人生についてサヨク的に考えたものです。今ではそういうことをしなくなったな、と改めて思いました。自分と自分の家族の利害以外のことは、無意識にシャットアウトするというか、「所詮他人事」として処理するようになっています。

ビルの地下1階には丸善がありました。『不登校、選んだわけじゃないんだぜ! (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)』を探すという恥ずかしい挙に出ましたが、残念ながら置いてありませんでした。

書店内をブラブラしていて、『境界性人格障害=BPD(ボーダーライン・パーソナリティー・ディスオーダー)―はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ』という本を見つけました。境界性人格障害境界例)には以前から興味があったので、しばらく立ち読みをしました。


どうして彼はある時はとても誠実に行動しておきながら、次には私をとことんこき下ろしたのでしょう? 私のことを有能ですばらしいと言って持ち上げたかと思うと、次には卑劣で、問題の原因が私にあると怒鳴り散らしたのはなぜでしょう? 口に出して言っていたように、彼が私のことを愛していたのだったら、どうしてあれほど操作されているように感じ、無力感を味わったのでしょう? そして、どうしてあんなに知的で学のあった人が、ときどき完全に理性を失ってしまったかのように行動したのでしょう?

う〜む。本が欲しくなってきましたが、2800円。迷いました。

初台くんと三越に新しく入ったジュンク堂書店新宿店に移動することになったので、購入するかどうかはそこで考えることにしました。ジュンク堂紀伊国屋新宿本店の正面への出店で、大型書店戦争などと言われています。

ジュンク堂の店内風景はこんな感じでした。基本的に背の高い書棚に本が並んでいて、平積みにするスペースがなく、すごくきれいな図書館、みたいな感じでした。店内はやや閑散としていました*2ジュンク堂池袋店はいつも人がギッシリなのとは対照的でした。ちょっと苦戦しているのかもしれません。

初台くんは「人が少なくていい」と言っていました。僕が「でも商売の方は大丈夫なのかな?」と言うと、「いや、そんなこと考えなくていいよ、心配事が増えるから」とコメントされました。アッパレ! 初台くん。

例によって恥も外聞もなく『不登校、選んだわけじゃないんだぜ! (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)』を探したところ、なんと2ヶ所に置かれていました! 売れるかな〜♪

自分の本が置いてあって気分がよくなったので、その勢いで『境界性人格障害=BPD(ボーダーライン・パーソナリティー・ディスオーダー)―はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ』を購入しました。


その人は、

――善か悪かのどちらかで、人を判断しやすいですか? 誰かを悪人とみなした時には、その人の良いところを思い出せないようですか? 逆に、誰かをヒーローのように崇める時には、その人の欠点が何ひとつ見えなくなるようですか?

――ある人を自分の味方か敵かのいずれかで見ているようですか?

――ある状況を、悲惨か理想的かのどちらかで見ているようですか?

――自分のことを、完璧な人間か全くだめな人間かのどちらかで考えているようですか?

うーむ。問題は、「境界性人格障害」なるものが実在するかどうか、実在するとして、ある人がそのカテゴリーに当てはまるか、というよりは、その言葉を使うことによってよりよく生きられるかどうか、ということだと思います。

閉店間際になって、マンガ売り場を見てみました。関東地方にお住まいの皆さん、耳より情報です。ジュンク堂新宿店では、(一部の?)マンガも立ち読みできるようになっています*3。っていうか座って読めます。

先週のモーニングで見かけて気になっていた安野モヨコの『働きマン (1) (モーニングKC (999))』を立ち読みしました。するとたいへん面白く、物凄い勢いで引きつけられていきました。週刊現代とか週刊ポストみたいな週刊誌の編集部を舞台とする物語で、さまざまな「働きマン」たちが超絶な激しさで仕事をする様子が描かれています。


Aさん「松方ァ!!」

Bさん「巻頭差し替え!!」

松方(仕事してて最高に気持ちいい瞬間)

Bさん「タイトルは「外務大臣星川光 国民への背信!!」」

松方「ハイ」

Bさん「8ページぶち抜きだ!!!」

松方(仕事モードオン!! 男スイッチ入ります

松方「働きマン」(変身のポーズ)

(ナレーション)

解説しよう!! 働きマンになると血中の男性ホルモンが増加して

通常の三倍の速さで仕事をするのだ

その間 寝食恋愛 衣飾衛生の観念は

消失する


働きマン (1) (モーニングKC (999))

働きマン (1) (モーニングKC (999))

ワハハ、男スイッチ最高にいいですね。そうですよね。ありますよね。ガーッて作業すること。僕にはないけど。

閉店時間(20:00)を過ぎても面白すぎて、カジリついて読んでいました。15分ほどオーバーしたところで観念して、本を棚に戻しました。

周りを見渡すと、まだ客の姿がチラホラと目につきます。「閉店しました」というアナウンスが何度も流れてるのに。うーん。時間を守らない僕らのせいで、ジュンク堂の「働きマン」の皆さんが迷惑していたかもしれません。あるいは、優秀な「働きマン」なら、そういう客の「ねばり」を見越して閉店時間を設定しているものでしょうか。

マンガはもう半分以上読んでしまったので「買うともったいない」と思い、エレベーターで店を後にしました。すると初台くんと僕はどうも業務用のエレベーターに乗ってしまったようで、1階についてみると作業現場に出くわしてしまいました。ここにも「働きマン」たちがいっぱい。ここからは出られそうになかったので、いったんジュンク堂までエレベーターで戻ることにしました。すると一人の「働きマン」が「下(に行くの)?」と言いながら乗り込んできました。僕が「コミュニケーションしなきゃ」、「上です」って言わなきゃ、と思ってる間に乗られてしまい、後ろにいた初台くんが「上ですよ」と言うと「働きマン」にちょっとムッとされてしまいました。ごめんなさい。。。

ジュンク堂に戻ると、まだ客がいました。どうしても続きが読みたくなって、けっきょく買うことにしました。

外に出ると、目の前が紀伊国屋でした。紀伊国屋は21:00まで開いているようです。

疲れた様子の初台くんを引っ張って、またもや『不登校、選んだわけじゃないんだぜ! (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)』を探しました。紀伊国屋には、気付いただけでも4ヶ所に置かれていました! そしてなんとその内1ヶ所は高校進学情報のコーナーでした。いいんでしょうか? 前途ある中学生が、道を踏み外すきっかけにならないことを祈ります。

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帰りの電車の中で、『働きマン (1) (モーニングKC (999))』を引き続き読みました。半分以上読んでふと気付きましたが、これ(少なくとも第1巻)に登場する「働きマン」って、みんな大手出版社の正社員なのですね(たぶん)。あ、あと一人は大手ゼネコンの正社員。大雑把に言って、全人口の上位約4パーセントくらいに位置する人々*4ではないでしょうか。数字は適当ですが。

自分とは縁もゆかりもない世界の話なのかもしれません。っていうか男スイッチないし。「男スイッチオン! ん? カチ、カチ。。。 男スイッチオン。。。 おと…、あっ、コード切れてるわ」っていう感じです。

まあでも、自分と関係あろうがあるまいが、面白いことに変わりはありません。マンガの登場人物と同じようなエリート「働きマン」の皆さんにも、そうでもない「働きマン」の皆さんにも、ニート・ひきこもりの皆さんにも、自信を持ってお薦めします。また、オヤジ系の人にも、フェミ系の人にも、面白く読める本だと思います。


*1:中退した新宿山吹高校系の友人。

*2:木曜日の夜のこと。

*3:各マンガの第1巻だけかもしれません。ちょっと記憶がないです。

*4:年齢などをコントロールした上で。