(元)登校拒否系

反学校、反教育、反資本主義、反歴史修正主義、その他もろもろ反対

次は、トラメガを持って東工大に行きますーーポストモダニズムを体で感じて、人類に希望をもった話(重要な追記あり)




 いきなりビックリ予告in!



次は、トラメガを持って東工大に行きます。


参考VTR



D


YouTubeが技術的に見れない諸君、視覚障害者の諸君、ごめんな。気になる場合は「素人の乱 3人デモ」でググってくれ。)


 わはは、今日は楽しかった。やっぱり現場に行くべきだよね。っていうのは言い過ぎかな。だって人にはいろいろ事情があるし、金とヒマが必要になる。だから他人に対して「現場に行け」とは言えない。ロト6が当たったら札束渡して言うかもしれないけど。ただ、僕は今日、超ウルトラ現場現場した現場体験をしたんだ。なんと言っても、ポストモダニズムを実感したからね。今まで文字情報といっしょうけんめい格闘して何度も挫折したけど、実は、現物があるんだよ。


 どこに? 

 大岡山に。

 



 たらーん!

 見よ、これがポストモダンだ!

f:id:toled:20081213022255j:image

[東京工業大学大岡山キャンパス]


 僕は、この中に入ったよ。

 すぐに灰を探した。灰はなかった。

 ただ、僕には霊感がない。

 だから、ここで大虐殺があったかどうかまでは判断できない。





 はい、ここから本題です。

 まず、ネットの一部にある誤解を解きたいと思います。


 僕は、東浩紀さんの授業を受けようとしました。

 しかしそれはかないませんでした。それが今日の出来事です。


 で、それを、大学当局・事務方が主導して行ったと考えている人がけっこういるようです。


 違います。


 僕が教室に入ろうとすると、事務の人が「学生証を机の上に置いたままにしておいてください」と連呼してました。


 僕は学生証を持ってなかったので、いいのかな、とは思ったんですが、常識的に考えてOKだろうと判断し、入室して座ろうとしました。そしたら、別の事務の人に学生証の提示を求められました。僕の大学像からすると考えられないリクエストでしたが、ま、それはともかくとして、実際問題として学生証を持ってなかったので「持ってません」と言いました。すると退出を求められました。僕はビックリ仰天して、「ななななんでですか?」その他、いくつかの質問をしました。


 いただいた答えです。

 「東先生に聞いてください」

 「私にはわかりません」

 「東先生の指示です」

 「東先生に聞いてください」

 「それも東先生に聞いてください」


 ということでしたので、事務の人は何にも悪くないです。仕事を淡々と遂行していただけです。

 ネットを読んでいると、事務が過剰反応をし、それに東さんが「まあいいじゃん」というような介入をしなかったのは大人げない、みたいな書き込みが散見されますが、誤解です。


 さて、授業開始予定時刻を少し過ぎると、「東先生」がつかつかと歩いてきて、宣言しました。「はい! 前回以前から潜ってた人、入っていいよ」。


 ここで僕は、さっき「東先生に聞いてください」と言われた質問を東先生にしてみました(記憶が曖昧なんですが、一緒にいた友人によると僕はこのとき名前とidを告げたそうです)。

 以下、覚えている限りの会話です。ただ、僕はよく記憶間違いをします。正確に一字一句暗記する能力もありません。特に、発言の順序についてはよく覚えていません。けれどもわざと嘘をつくということは決してしていません(この部分に関してはね)。


あずまん:プンスカプンスカ! プンスカ! ピュー!(すごく怒っていて圧倒されました) あのね、僕は君のことなんか知らないよ。会ったことない。君のブログも読んでないよ。なんで僕が君を入れなきゃいけないの。


ツネオ:え、いや、だって東さんのブログで……。


あずまん:あのね、君はわかってるの? 君がやってるのは挑発だよ。


ツネオ:いや、それはそっちじゃないですか。いや、挑発じゃないけど、招待してくれたじゃないですか。


あずまん:してないよ!


ツネオ:してますよ、ブログで。


あずまん:してない。(事務の人に)井口先生どこ?


ツネオ:授業に来て質問してよ、って書いてたじゃん。僕のブログへのレス・エントリーで。


あずまん:だから僕は君のブログなんて知らないって。


ツネオ:いやいやいやいや。それで次の週のブログで、誰もこなかったからがっかりした、みたいなこと書いてましたよね? 僕はあれを見て、ああ、この人は僕に来てもらいたいんだな、と思ったんですよ。


あずまん:君なんか呼んでないってば!


ツネオ:ええ、だってー。


あずまん:あのね。(事務の人に)井口先生来ないな。いや、さっき会ったばっかりなんだよ。どこ行っちゃったのかな?


ツネオ:入っていいですか?


あずまん:だめだって! あのね、君、自分のやってることがわかってる? 君は煽ったんだよ。


ツネオ:いやいやいやいや、煽ってないよ。


あずまん:君が煽ったから、こんなに来ちゃったんじゃないか!(東工大生ではないモグリ希望者が、8-10名ほど廊下で待機してました)


ツネオ:煽ったりしてません。


あずまん:ふざけるなよ、僕はちゃんとプリントアウトして持ってるんだよ。(と言って、僕の昨日のエントリーを取り出しました)


ツネオ:読んでるんじゃん!


あずまん:危ないんだよ。わかってるのか? (事務の人に)井口先生まだかな?


ツネオ:危なくないって。何にもしないよ。


あずまん:現にこんなに集まってるじゃないか!


ツネオ:いや、みんな弱そうじゃん。大丈夫だよ(←もし、この発言に傷ついた人がいたらごめんなさい。みんな男の子でした。僕は「弱い」ということを悪いことだとは思ってません。そして実際にあずまんに比べたらみんな圧倒的に弱そうでした。でも男の子に対して面と向かって言うべきことではありませんでした)。


あずまん:とにかく……。


ツネオ:っていうか、知り合いじゃないですよ。この人(Xさん)は友達です。この人(Yさん)はその友達です。でも、それ以外の人は知りません。


あずまん:だからブログに……。


ツネオ:いやたぶん関係ないって。


モグリ希望者Aさん:あの、すいません、東先生。僕、???で見て、それで来ました。


あずまん:そうか、じゃあ君は入っていいよ。


モグリ希望者Bさん:あの、以前XXXでお会いしたんですが。


あずまん:おお、覚えてるよ。入っていいよ。


モグリ希望者Cさん:あの、

モグリ希望者Dさん:あの、

モグリ希望者Eさん:あの、

モグリ希望者Fさん:あの、

モグリ希望者Gさん:あの、


(同じようなやりとり。結局、あずまん、事務の人、Xさん、Yさん、僕だけが廊下に残りました。あ、あと知らない人(Zさん)が立ってました)


ツネオ:じゃあ僕も。


あずまん:おい! 僕は君のこと知らないって言ってるだろ! だいたいなんだ、ここにプリントアウトしてあるけど、ほら見ろよ、「ただし、糾弾会みたいなのは今回はやめとこうね。東浩紀は悪いのだし、そのことは指摘されるべきだけど、それはユーモアを維持しつつ穏やかにできるはずですから」って書いてるじゃないか。これは煽りだろ!


ツネオ:いやいやいやいやいやいや。それは煽りじゃないでしょ。


あずまん:煽りだよ。


ツネオ:煽ってないってば。それは違う(ここで、一瞬terracaoさんのエントリーを思い出しました)。


あずまん:煽ってるじゃないかあ!


ツネオ:違うってば。あのね、じゃあこうしてみてよ。それ5部くらいコピーして、東さんが信頼してる人に配って読んでもらいなよ。それで聞いてみてくださいよ。


あずまん:なんで僕が君のブログをコピーしなきゃいけないの! だいたい他にもYouTubeにアップしろだとか書いてるし。


ツネオ:面白いじゃん。きっとみんな見たいと思うよ。


あずまん:ふざけるなって。しかも、僕は読んでるんだぞ。前のエントリーも。はてなポイントをプレゼントするとかいうやつ。


ツネオ:読んでるんじゃん!


あずまん:そこで、君は僕には関心がないとか言ってるじゃないか。何が目的なんだ!


ツネオ:そんなこと言ってないよ。う? 言ったかな? いや、言ってないと思うよ。少なくともそういうニュアンスじゃない。


あずまん:あれ? (XさんとYさんに)君らはXXXで……。ああ、久しぶり。じゃあ君らはいいよ。


ツネオ:じゃあ僕も。


あずまん:お前だけ残れ!




 さて、ここまで読んでくれてありがとうございます。さらに続きます。

 おそらく多くの人は、ツネオってなんてしつこいんだ! とウンザリしてると思います。

 ただね。大学ってそもそも何? あるいはどうあるべき? ということをまず考えてもらいたい。ちなみに僕の答えは廃絶すべきだ、というものだけど、普通の人はそう思わないんじゃないかな。そう思わない人は、この問いに1分でいいから取り組んでください。そう思う人、同志です。ハグしよう。


 あと、言い訳がましくなっちゃうけど、経緯があるんです。↑の問いはもう忘れていいから、続きを読んでください。


 さかのぼればきりがないけど、とりあえず僕がこれを書いたわけ。


10万はてなポイントを進呈します。東浩紀歴史修正主義を基礎づける記述が<デリダの文献にある>ことを発見できたら


http://d.hatena.ne.jp/toled/20081128/p1


 まあ、宣伝目的のネタ記事だな。文体もふざけてるし。ただ、僕は一人でも多くの人に読んでもらいたいと必死なんだ。そのための努力だ。で、僕はこの記事と最後にあるリンク先で、歴史修正主義について真剣に考えてるんだ。特に、なぜ欧米ではホロコースト否定論者はまともに相手にされないのに(即スキャンダル→追放)、日本では政治家や知識人が平気でデマをふりまいて無傷なのか? 南京大虐殺慰安婦制度といったことが存在したかどうかというようなことが、「論題」になってしまうのか? っていうことについての問題提起をしようとしたんだ。


 で、僕の主張はこういうものだ。

 これは「知識」が足りないためでも、日本人がバカなせいでもない。

 現にあずまんは頭がいいはずだ。彼はデリダの解説を書いて有名になった。

 デリダって読んだことある?

 すっごく難しいんだよ。なんせ、20世紀において一番かしこかったチョムスキーがお手上げだと言ってるんだ。

 たしかに短いエッセーやインタビューもあって、その大半はまあ読める。けど、そこでは大したことは言ってない。ふつうのサヨクの当たり前の主張だ。歴史修正主義批判とかね。歴史修正主義のもとの意味、そのトンデモバージョンとの区別とか、勉強にはなるけど、Wikipediaで間に合う。

 けれども分厚い本となると、てんで意味不明なのだ。なんで難しいのかな? たぶん、想定されている読者が、西洋哲学史をすでにマスターしていることを前提にしてるんだ。たぶんね。

 そのテクストに向き合って、わかりやすくかみ砕いてみたわけだから、あずまんはスゴイに違いない。読んでないから確証はないけど。少なくとも、平均的な人にはとても期待できない知力があるはずだ。


 だから、あずまんが歴史修正主義的な発言をしたのを読んで、僕はこう思った。これは僕の主張の補強材料となると。


 そして僕はサヨク訴えたかったんだ。知識や知恵の問題じゃないって。教科書検定なんてどうでもいいって。たとえ『新しい歴史教科書』が普及しようが、ほかにも情報はいっぱいある。もしそれを信じるとしたら、本人の責任なんだって。つまりこれは自由の問題だって。


 それについて僕がせいいっぱい努力していっしょうけんめい考えて、ジジェクをパクリながら書いたのが↓だ。


「永遠の嘘をついてくれ」――「美しい国」と「無法者」の華麗なデュエット


前編: http://d.hatena.ne.jp/toled/20070726/1185459828

後編: http://d.hatena.ne.jp/toled/20070727/1185459989


 僕はこれの宣伝がしたかった。必死で。そのための材料として、あずまんの発言を使った。

 知識人に対してこういうことをやるのは、僕は全然OKだと思ってる。

 あとは読んだ人が判断すればいいことじゃん。それで僕の書いてることが間違ってると思われたら、それでもいいよ。


 そしてある程度それは成功した。たぶん、20人くらいの人が新たに↑の記事に関心を持ってくれた。そのうち少なくとも5人は最後まで読んでくれたと思う。僕は嬉しかった。本当に。


 さて一方、僕のネタ記事の方は、当初は意図していなかったような反響も呼んだ。反響って言うと語弊があるかな。ま、ある種のきっかけを作ったんだよ。主にはてサの人が、歴史修正主義についてさまざまな批判的分析を行なった。僕のネタにつきあって、デリダと格闘してくれた人もいた。僕は嬉しかった。そして新たに多くのことを学んだ。


 たぶん、あずまんは僕ごときにキレるほど度量は小さくない。たぶん、たぶんだが、はてサの人が書いた一連の記事に傷ついちゃったんだと思う。かわいそうっちゃかわいそうだが、出版された知識人の発言がつっこまれてるわけだから、これはしょうがない。


 さて、話を戻そう。このような中で、あずまんはまず↓を書いた。


歴史認識問題についていくつか


http://www.hirokiazuma.com/archives/000465.html


 どうだろうか? 僕はこれを読んで、少なくとも僕がきっかけの一つにはなってるんだろうなと思った。うーん。誤解かな? 僕にはそう読めちゃうんだ。著者の意図とは違ったのかもしれない。ただ、テクストは書かれた瞬間に著者の手を離れる、って話もあるからね。まあともかく、僕はそういう解釈をした。


 で、この記事の「5.付録の付録」を見て、僕はこう思った。あずまんは、僕を含むはてサに授業を見に来てもらいたいんだなって。そして質問してもらいたいんだなって。


 現に、あずまんの授業に毎回出席してる人によると、この週から突然ガラリと講義内容が変わったらしい。政治-倫理的転回、みたいな。まあそれは後で知ったことだけど(←これ、僕はオフレコじゃないと判断したので書きました。講義録が公開されてるし。もし問題があったらこのパラグラフ消します)。


 ただ、僕は初対面の人と話すのが苦手なんだ。だから尻込みした。そしてこれも後になって知ったことだけど、この記事が出た次の授業の日は、とても大切な用事があってどうせ行けなかった。


 その翌週、あずまんは↓をアップした。


中途半端な告知


http://www.hirokiazuma.com/archives/000466.html


 これを見て、僕はこう思った。あずまん、本気で来て欲しいと思ってたんだね。社交辞令じゃなくて。僕(やその他はてサ)が行かなかったせいで、がっかりしちゃったんだね。誤読だろうか? でも、ストレートに読んだら、そう思うのが普通だと思う。って、普通じゃない僕が言ってもあれだけどね。ま、実際に読んでみてよ。


 ただし一方で、僕はこうも思った。そんなに来て欲しいんだったら、なんでメールしないんだ。あと、いつどの教室で授業があるかわかんないのに行けるわけないじゃん。っていうか地方に住んでるはてサだっているし。ぶっちゃけ、はてサの立場を離れて言えば、民間だったらありえない。


 と思ったんだけど、思い直した。これも宣伝になるかもしれない。あと、さっき書いたように、かしこい人が歴史修正主義に染まってしまうという現象について、僕は深い関心を持っている(ここであずまん自身は歴史修正主義者じゃないって突っ込みが入るかもしれないけど、僕の基準ではそうです。それについて説明し出すと終わらなくなるので、とりあえず僕はそういうふうな判断をする人なんだな、と思っておいてください)。だからあずまんがこの件についてどのように語るのかということに興味が湧いてきた。質問を繰り返すうちに、どんな反応が見れるだろうか? そしてあずまんもそれを望んでいるというのが僕の解釈だった。というわけでwin-winだなこれは。と考えて行くことにした。


 それで場所と時間を調べて、見つかんなくて、っていう苦労もあったんだけど、そこは割愛しよう。


 ただ、さっきも書いたように、僕は一人で立ち上がるのが怖いんだ。それに対するあこがれはある。その気持ちから、「大阪府KY若手職員と「姜尚中トラメガ事件」について−−米粒が立ち上がった日」っていう記事も書いた。でも怖いものは怖い。


 また話がそれた。ごめん。


 それで、当日(金曜日)の朝になって、↓を書いたんだ。


あずまんの授業行こうぜー!


http://d.hatena.ne.jp/toled/20081212/p1


 まあ、今になって読み返してみて、ふざけた文体だとは思います。けど、さっきも言ったように僕は多くの人に読んでもらいたいと必死なんだ。かつて非常に真面目な登校拒否論をこのブログで書いたこともある。けどそれはあんまり読まれなくて、へこんだ。だから僕はサービスしたくなっちゃうんだよ。


 はてサに参加を呼びかけたのは、一人じゃ怖いから。あと、あずまんが「あいつら」とか「そのかたがた」って書いてたので、少なくとも二人には来て欲しいんだと思ったから。


 で、あずまんが問題にした↓だけど。


 ただし、糾弾会みたいなのは今回はやめとこうね。


 東浩紀は悪いのだし、そのことは指摘されるべきだけど、それはユーモアを維持しつつ穏やかにできるはずですから。


 糾弾会ってみんな知ってる? 部落解放同盟が昔やってたことがある。数年前、ムネオが辻元清美に吊し上げ食らってた。そのすぐ後には、辻元自身が同じような目にあっていた。あれを思い出してくれ。

 僕は、糾弾行為一般について全否定はできないと思ってる。このへんについては「「弱者による暴力」に対する暴力について」という記事で書いた。

 ただ、もしそれが起こってしまうとしたら、悲しいことであることは確実だ。実は僕の親しい関係で、数年前に「糾弾会」が発生してしまい、すごくショックを受けて、泣いたことがある。


 というわけで、「糾弾会みたいなのは今回はやめとこうね」っていうのは本当にストレートに文字通りの意味を意図したのだ。デリダ信者にとっては、著者の意図は言い訳にならないけどね。僕はデリダ信者じゃない。まあterracaoさんのエントリーには笑ったし、「逆言葉」は大好きだし、機会があったら語用論の勉強をしたいと思ってる。けど、糾弾会にしちゃいけないってのは本当にそのままの意味なんだ。そしてそれが伝わるように書いたつもりだ。


 糾弾っていうのは、たんに相手を傷つけるためにやるものではない。そうではなくて、相手に自分が間違っているということを自覚させることが重要とされる。だからそれは愛情と憎悪が複雑に絡み合った興奮から始まる。

 けど、僕は歴史修正主義者に対して1%の希望も持っていない。必要なのは、対話でも説得でも論争でも、まして糾弾ではなく、暴力だ。


 ここでの暴力ってどういう意味? という話をしだすと終わらなくなるからやめとく。いつか書くからRSSに登録しといて。


 さて糾弾において主要な役割を果たすのは、一人のいじめっ子じゃない。それを眺めながら享楽に浸る傍観者だ。


 だから、「一人VS多数」という構図は、けっこう危ないんだ。そういう配慮で、僕は↓の一言を付け加えた。


もちろん、あずまんと波長が合いそうなネット右翼の諸君もたくさん来たらさらに楽しくなると思うよ。ってなんか勝手に許可を与えてるみたいだけど、あずまんのブログを見ると明らかに部外者歓迎姿勢が伺えるからたぶん大丈夫。


 左翼があずまんを問いただしたり批判したり、で、それにあずまんが反論して、ネット右翼がそれに賛意をあらわして。というふうになったら楽しそうだし、「糾弾会」になっちゃう可能性は防げると思った。ま、実際には「中立」の学生や批評家の卵がたくさんいるから、ガチで右翼の人が来なくても大丈夫だったと思うけどね。


 ここで「出羽の守」モードを少し。アメリカに留学してたことがあるんだけど、大講堂でのレクチャーでも学生が突発的に質問したりするのは普通だったよ。先生は批判されても動じない。少なくともそれを表情に出さない。一度だけ、学部生でも院生でも取れる講義で、院生と先生がガチンコでケンカを始めてビビったことがある。次の日には仲直りしてたけど。

 日本の大学の授業はそういうノリではないということは常識として知っている。けど多くの先生は、本当は活発に質問してもらいたいんじゃないかなとも思う。で、あずまんの場合は、対立する相手に乗り込んで質問してもらたいと書いてたので、それだけの度量があるのだなあと判断した。


 というのが僕の弁明だ。もう時間がたってるので、無意識に後付けの正当化をしてるかもしれない。まあ、リンク先を読んで、また、この件について別の人が書いているレポートを探したりして、各自で判断してくれ。

 僕には悪気はなかった。悪い方向に行ってしまわないような僕なりの配慮もした。と今でも僕は思ってる。


 さて時間を戻そう。あるいは進めよう。


 あずまんが切れ、大半のモグリ希望者は入室し、事務の人とXさんとYさんとZさんと僕が残った。


 このあたりで大御所が登場した。

 井口先生だ。


 あずまんは「あ! 井口先生!」と叫んで、僕の入室を認めないことが正当であるということをせつせつと訴えた。


 井口先生は、ニコニコしていた。

 そして言った。

 「まあ、そうだねえ」。


 で、井口先生は、僕に対して、あずまんが真っ赤な顔で言っていたのと同じことを、落ち着いて、ゆっくりと、スマイルを維持して、説明してくれた。


 それを聞いて、僕はたちまち井口先生のことが好きになってしまった。


 ハリウッド映画に出てくる、good cop, bad copっていうのを知ってるだろうか?


良い警官・悪い警官の解説

良い警官・悪い警官の例


 これがスゴイのは、わかってても引っかかっちゃうというところだ。心理学って、だから勉強しとくといいよ。ちなみに僕は↓に深い感銘を受け、合コンに行く機会があったら活用したいと思ってる。


恋愛心理学 (図解雑学)

恋愛心理学 (図解雑学)


 というわけで、僕は「この人の言うことなら何でも聞こう」という気になった。

 今でも僕は井口先生のことが好きだ。

 じっさいいい人だった。

 「まあまあまあまあまあまあまあまあまあ」という感じで、全てが丸く収まってしまった。

 ちなみに僕は常識的な判断として、警察が大学内に来ることは絶対にないと思ってた。

 けど警備員を事前に配備しておくことはできたはずだ。

 そしてそれをやるとしたら、それは井口先生の権限だ。

 で、警備員はいなかったし、来なかった。

 ま、それでも全共闘的にはNGかもな。けど本当に差が激しくてものすごく良い人に見えたんだよ。


 というわけで、あずまんは15-20分遅れくらいで、無事に授業を始めることができた。


 僕もポジティブな気分に満たされた。


 ただこのまま帰っちゃったらアレかなと思い、僕は井口先生にお願いしてみた。

 一緒に写真に写ってもらえませんか? って。

 いいよ、いいよ。なんで?

 ブログに載せたいんです。載せていいですか?

 いいよ、いいよ。

 ありがとうございます。これで交通費をかけたことについて自分なりに満足できました。

 わはは、そうかそうか、よかったな。



 というわけで、今日の収穫です(Xさんが撮影してくれました)。


f:id:toled:20081212170928j:image

(大サービスで、先生は一瞬だけ表情を厳しくしてポーズまで取ってくれました。僕はあずまんがマジで怖く憔悴しきってたので、青ざめてます。)


 さて、もうそろそろこの物語もクライマックスです。


 さっき書いたように、僕の友人のXさんとその友人のYさんは入っていいよ。ってことになりました。あと、Zさんという初めてお会いする方とあずまんの間にもちょっとしたやりとりがあって、入っていいよ。ってことになりました。


 けれどもXさんとYさんとZさんは、教室に入ろうとしませんでした。








 それを見て、僕は泣きたくなりました。必死に涙をこらえました。悪いな、僕のせいで、と思ったけど、ものすごく嬉しかった。


 そのあと喫茶スペースみたいなところに行って、僕はトイレで顔を洗いました。





 ま、っていうのはちょっと脚色な。けど、本当に嬉しかったよ。人類に希望を持った。


 というわけで、実はハッピーエンドなのです。

 あずまんの希望はかない、井口先生の顔は立ち(ズバリ言いますが、ギャップがすごかったので、事務の人からの評価が倍増したと思います)、僕は幸せ。しかもあずまんはふだんよりもハイテンションで授業をし、この出来事自体を即興でネタにし、学生も満足。


 何の心配もありません。みなさん、どうか安心してください。


 さてそろそろ終わりにしますが、僕はこのエントリー自体であずまんをネタにしました。そこであずまんに最後に言っておく必要があると思うのです。

 あずまん、大丈夫だよ。もしあずまんが僕に対して似たようなことをやったとしたらアレかもしれない。一般論として。僕はされても全然平気。っていうか歓迎だけどさ。で、逆にだよ、僕ごときに文章で何を書かれても何にも恐れる必要はないよ(もちろんプライバシーの暴露とかはNGだけど、それはやってないし)。もし事実に反する部分があると思ったら、反論すればOK(さっきも書いたように、意図的に嘘はついてないけど、記憶はたしかじゃないから、あずまんの言い分もあるかもしれない)。だから安心して寝てください。僕もこれからハルシオン飲むわ。


 ただ。あ、本当にこれで終わりにするからもうちょっとだけ読んでね。

 あずまん、そうとう男を下げちゃったな。今回。


 そこで僕から超ウルトラスーパーCの挽回策を提案します。

 僕をゼロアカ優勝者にしてください。

 知らない人のために言うと、講談社から10,000部の本が出せるというコンテストです。


 そしたら、みんな思うと思う。あずまん、大人だなって。器として。これだけのいきさつがあった上でそうしたら。思わん?


 で、僕はお金も欲しいが、「永遠の嘘をついてくれ」を膨らませて出版したいという熱い夢を持っているのです。そのためにはむしろお金を払ってもいいくらいです。


 だから僕をゼロアカの優勝者にしてくれたら、印税は全額フジタくんにやる。なんせ、今回の最大の功労者かもしれないからな。ある意味。




 どうです?

 win-win-winです。





 大切な追記

 東さんが今回の件について書かれています。



東工大授業の顛末について


http://www.hirokiazuma.com/archives/000470.html


 まさにポストモダンですね。。。みなさんお願いですから僕が本記事で貼ったいくつかのURLクリックしてくださいね。


 この中に、次のような指摘があります。



[前略]問題の本質(というか本質のなさ)に関わる点で、二つほど報告者=潜り希望者[=常野]が抜かしている単純な事実があるので、記しておきます。たいした話ではないので、興味があるひとだけ読んでください。


1.この報告者(非東工大生)の方は、最初に嘘をつきました。


該当エントリにもあるように、ぼくはまず教室外の廊下で、「前回まで潜っていたひとは教室に入っていいです」と言いました。10人弱の人間が残りました。しかし、そのときに彼は黙って、しかもぼくの背後のドアから教室に入ろうとした。ぼくが気づいて止め、「君は出てたかな」と問いただしたところ、彼は「出てました」と答えました。これはおかしいな、と思ってぼくが「でも顔を知らないよ」とあらためて問いただしたところ、その男性は「ブログを通して出てるんです、入っていいでしょう」とへりくつをこねはじめました。それで問題のひとだとわかりました。それが、このひととぼくが最初に交わした会話です。


 ごめんなさい、これは本当でした。動揺していたので、記憶から消えてました。さきほど、昨日(金曜日)一緒にいた友人に確認しましたが、たしかに僕はこのような発言をしたそうです。言われてなんとなく思い出しました。僕はこのとき嘘をつきました。これは本記事でのまとめの冒頭に含まれるべき情報でした。

 ただ、繰り返しますが会話の再現部分で意図的に嘘をつくことはしていません。また、僕がだめだと言われているのに何度も入ろうとしたことについては触れてます。


 このやりとりの特に前半は、10数人の人が見てました。もしこの他に僕の再現に重要な欠落や誤りが含まれていたら、指摘していただけるとありがたいです。


 なお、この嘘が再現に欠落していたことについては反省しますが、このシチュエーションで嘘をついたこと自体については全く後悔していません。むしろ誇りに思います。

 嘘と事実と倫理の問題については、以前↓で書きましたのでぜひご覧ください。


学歴詐称事件と「反学校の倫理」


http://d.hatena.ne.jp/toled/20050324/1111673660