(元)登校拒否系

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磁気刺激療法体験記 その1



今年の3月から精神科のクリニックでうつ病の治療を受けています。これまでは主に薬物療法をやっていて、トレドミンという抗うつ薬を飲んできました。残念ながら今のところ目覚しい効果はなく、効いているのかいないのかはっきりしません。

そんななかで、「磁気刺激療法」という最新のうつ病治療法のことを知りました。正式には「経頭蓋磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation:TMS)」というそうです。以前からある電気ショック療法に代わる(かもしれない)とされている治療法で、副作用ほとんどなしに電気ショック療法と同等の効果が得られる(かもしれない)そうです。

電気ショック療法については、ジャック・ニコルソン主演の映画『カッコーの巣の上で』の印象が強く、かつては非常に否定的なイメージをもっていました。この映画には、精神病院の秩序を乱した患者を懲らしめるために電気ショックを与えて廃人のようにしてしまうシーンが出てきます。しかし、家族が統合失調症になったり、自分がうつ病になったりする中でメンヘル系の知識もつき、今ではサヨクの人々などがこの治療法を全否定してしまうのもいかがなものか、と思っています。これまでの電気ショック療法に問題があったのは事実でしょうが、本当に困っている人の立場に立つのであれば、「問題があるから電気ショック療法に反対」と言うのではなく、「問題があるからよりよい電気ショック療法を!」と言うべきでしょう。

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磁気刺激療法は、宣伝文句を読む限りは、まさにそのようなものになる可能性があるようです。新・サイコドクターあばれ旅私家版・精神医学用語辞典にはこうあります。


最近では、電気けいれん療法よりももっと侵襲が少なく安全性の高い経頭蓋磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation:TMS)という治療法も開発されてます。磁場をかけることによって脳内に電流を流すというこの方法なら、麻酔はいらないし、けいれんも起こさなければ記憶障害にもならないので、外来で手軽にできるのだそうだ。しかも治療効果はECTとほぼ同じ。

 今のところまだECTやTMSは抗うつ薬の補助的な役割しかないけれど、いずれ、うつ病患者は通院して外来で電気をかけてもらったり、磁気をかけてもらったりするのが一般的になる日が来るのかも。

電気ショック療法 electroshock therapy

これをはじめて読んだとき、「受けてみたい!」と思いました。そこで色々と検索してみたのですが、どうもまだ実験段階で、気軽に受けられるものではないようです。その後も「うつメイト」の初台くんに雑誌記事を紹介してもらったりして情報収集していましたが、どうも一部の大学病院で実験的に行われているだけのようだ、ということがわかり、問い合わせなどをする気力もなかったので、当面はあきらめることにしていました。

ところが、先月末ひさしぶりに検索してみたところ、なんと外来で磁気刺激療法を行っているクリニックを発見しました。

google:磁気刺激療法 うつ

さっそく*1電話してみると、なんとその2日後に予約を取ることができました。

その日は夕方から初台くんとかつて通ったことのある高校の周辺を散策しに行ったのですが、僕は磁気刺激が受けられるかもしれないという興奮を初台くんにしゃべり続けました。

僕「こんなにうれしいことはないよ。このうれしさでセロトニンが倍増したかも」

初台くん「。。。」

僕「いや、っていうかもう治ったかも。磁気刺激が受けられるかもしれない、と思うことによってもう治っちゃったから、実際には受ける必要ないかな。キャンセルしようか?」

初台くん「。。。」

散策自体は僕と初台くんの優柔不断の相乗効果で迷走を極めましたが、非常にハイテンションな1日でした。

つづく


*1:本当は電話するまでに逡巡して数時間かかりました。。。