(元)登校拒否系

反学校、反教育、反資本主義、反歴史修正主義、その他もろもろ反対

2005-01-01から1年間の記事一覧

耐震強度偽装問題についての反自由党談話

耐震偽装問題で、マンション住人の救済に公的資金を使うことが議論されています。 この問題についての反自由党中央委員会の見解は、「全ての人に安全なマンションを」というものです。 人間が生きていくために、住居はどうしても必要なものです。今回の騒動…

東京シューレ葛飾中学校

東京シューレが学校を作るそうです。 http://www.shure-chugaku.info/ 僕はすでに十数年前に退会しており、東京シューレの活動について参加権はありません。したがってこれは外部の人間としてのただの感想です。 この事業は、東京シューレにとって大きな転換…

貴戸理恵、原住民の人類学者?

先日、上野千鶴子さんが主宰されている「ジェンダー・コロキアム」で貴戸理恵さんの研究についてコメントする機会がありました。以下は、その時話したこと/話したかったことです。 riekido.comに発表された貴戸さんのコメントでは、今回の調査について、適…

フェミニストはいかに「知る」のか 第三回 複数形の「フェミニストの視点」

「フェミニストの視点」の理論家たちの政治姿勢は、客観性の科学的な概念をラディカルに問うものです。性差別主義的な偏見を取り除くことによってフェミニスト経験主義者が伝統的な客観性を復活させようとするのに対して、「フェミニストの視点」の理論家は…

フェミニストはいかに「知る」のか 第二回 「フェミニストの視点」の理論

「フェミニストの視点(feminist standpoint)」の理論家たちは、単に従来の研究の「エラー」を指摘するだけではなく、社会的な「知」の枠組み自体に関心をもつ人々です。その一人スミスは、社会学の問題構制それ自体が、支配階級の白人の男たちの社会的位置…

フェミニストはいかに「知る」のか 第一回 フェミニスト経験主義という戦略

学校に行けなくなった当時の僕にとって、「知」とは縁遠いものでした。もちろん、すでに80年代には、登校拒否についての科学的言説は巷にあふれていました。心理学者を初めとして医者、教育学者、そしてやや遅れて社会学者たちが僕らのことを研究対象にして…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第三講義(1)

みなさん。真実を言うのは必ずしも簡単ではありません。手短に話さなければならない時は特にそうです。というわけで今日は前回の講義での間違った発言を訂正しなければなりません。 催眠術を使うことを断念した後、取り組んでいる問題と関係することで心に浮…

(元)登校拒否児のための社会学入門 目次

数年前のイギリス留学時代に書いたエッセイ(レポート)を日本語訳しながらこのブログで連載しています。 最終学年の時はイギリス留学とは名ばかりで、実質自室にひきこもって「2ちゃんねる留学」状態で、ほとんど勉強しませんでした。しかし2年生の時は課…

選択の幻想から反学校の政治へ 第三回 学校制社会と反学校

今回は、「世界システム論」の基本を紹介した上で、個体をバラバラに見るのではなく、その関係に注目する方法を不登校と学校の問題に適用することを試みます。誤解していただきたくないのは、何も経済体制が学校のあり方を最終的に規定している、などという…

内藤朝雄さんへ

内藤さんがこう書かれています。 問題は、常野氏の私に対する意図的な侮辱・悪罵・デマであり、それについて、常野氏は謝罪表明するべきではないだろうか。 http://d.hatena.ne.jp/suuuuhi/comment?date=20050808#c 僕は、今でも自分が内藤さんに対して行っ…

選択の幻想から反学校の政治へ 第二回 奴隷の「選択」

学校に行けなくなった10歳の頃の僕にとって、学校に行かないことは絶対に許されないことでした。このままでは生きていく資格はないと思っていました。そのような僕にとって、東京シューレや奥地圭子さんとの出会いは、大きな転換点となるものでした。初めて…

「電話工作」についての内藤朝雄さんの主張について

もう内藤朝雄さんに反論するのはやめようと思ったのですが、内藤さんのブログを読んだ複数の人が誤解をしているようなので、「電話工作」の嫌疑について説明しておきます。なお、内藤さんには事情を説明した上で訂正を求めましたが無視されました。また、こ…

郵政民営化問題に関する反自由党談話

すべての人民のみなさん、こんばんは。反自由党中央委員会です。 ある友人が、「サヨクにとって郵政っていうのは微妙な問題だよなあ」と言っていました。労働者へのしわ寄せはよくない、しかし利権を放置するのもよくない、う〜ん賛成反対決めがたいねえ、と…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第二講義(3)

おおざっぱなたとえ話によって、この抑圧の過程と患者の抵抗との必然的な関係を、より具体的なものとしてお示ししてもよいかもしれません。このたとえ話は、私たちが今あるこの状況から取ったものです。 このホールのこの聴衆(みなさんの模範的な平静と注意…

ケンカ

ある掲示板で、また内藤朝雄さんとケンカをしてしまいました。情報交流が主の、普段は議論なんてない掲示板なのに。。。「荒らし」同然、というか「荒らし」そのものでした。関係のない人にも嫌な思いをさせてしまったかもしれないと思います。書き込みは既…

炎上

日本を代表するいじめの専門家である内藤朝雄さんのブログコメント欄をプチ炎上させてしまいました。下の方です。 http://d.hatena.ne.jp/suuuuhi/comment?date=20050501#c 「組織人」、「電話での工作」、「○○」、「××距離◇◇」、「自己裂開部駆動型収奪」、…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第二講義 (2)

私がヒステリー患者の精神的なプロセスについての理論の基礎としたのは、この抵抗の考え方でした。患者を治療するためにはこの力に打ち勝たねばならないということが明らかとなりました。治療のメカニズムを出発点として、かなり明白な理論を構築することが…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第二講義 (1)

みなさん。ブロイアーが「お話治療」を患者に施していたのとちょうど同じころ、Cbarcot氏は、Salpetrièreの患者たちと共に、この病気の新しい理解に結びつくことになった研究を開始しました。しかし、こうした研究の結果は、ウィーンではまだ知られてはいま…

散歩

モダニティ・イン・プログレス 猫次郎。 犯罪抑止対策。え〜と。。。 乙。 このドアあぶないYO!

選択の幻想から反学校の政治へ 第一回 無人島主義

学校から家へ泣きながら逃げ帰ったことがあります。当時10歳だった僕がどんなことを考えていたのか、今となっては正確に思い出すことはできません。ただ、一つ確信をもって言えるのは、学校から逃げ出した当時の僕にとって、学校が世界の全てだったというこ…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第一講義(4)

ここまでのところは、ヒステリーの症状と患者の成育史との関係についてお話しただけです。ここからは、ブロイアーが観察したさらに2つの現象について考えることを通して、病気が始まる過程と治療の過程についての手がかりをお示しできたらと思います。前者に…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第一講義(3)

もちろん、犬がグラスから水を飲んだことによって引き起こされた嫌悪のために水を飲めなくなることの他にも、ヒステリーの症状が引き起こされる例についてお聞きになりたいことでしょう。しかしながら、計画通りお話しするためには、ごく少数の例にとどめる…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第一講義(2)

彼の共感的な観察により、応急手当を可能にする手段がすぐに発見されました。患者は、「心ここにあらず」の、精神的な変調の状態の中で、たいていはいくつかの単語を独り言でブツブツ言っているということが明らかになりました。こうした単語は彼女が忙しく…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」 第一講義(1)

みなさん。新世界[=アメリカ]の学士の方々の前に講演者として立つというのは私にとって新しくてやや恥ずかしい経験です。このような栄誉をいただいたのは私の名前が精神分析のテーマと結び付けられているからでしょう。したがって私がこれからお話しするのは…

フロイト講演会「精神分析の起源と発展」翻訳にあたって

ナツメ社から出ている『図解雑学』というシリーズがあります。様々な学問についてとてもわかりやすい解説を読むことができます。これまでに『図解雑学 サルトル (図解雑学シリーズ)』と『図解雑学 ニーチェ (図解雑学シリーズ)』を読みました。左側のページ…

反差別主義者は差別主義者に反論してはならない

石原都知事:「フランス語は国際語失格」発言で提訴される 石原慎太郎・東京都知事が「フランス語は数を勘定できず国際語として失格」などと発言したのは名誉棄損に当たるとして、都内のフランス語学校校長、マリック・ベルカンヌさん(46)や日本人のフラ…

『Fonte』(旧・不登校新聞)メーリングリストへの投稿

『Fonte』(旧・不登校新聞)のメーリングリストに以下の文章を投稿しました。 こんにちは。 このたび経済的事情により、定期購読を継続しないことにしました。『Fonte』の社会での必要性はますます高まっていると思いますが、お金があまりないもので。。。 …

調査する者とされる者の終わらない関係 第3回 対話は続く?

この連載では、まず、スケッグスが自らの姿を調査の中に位置づけようとしていることを見ました。このことは伝統的な立場からは問題であるとされる可能性がありますが、「フェミニストの視点」理論を紹介することを通して、僕は彼女の試みの正当性を支持しよ…

調査する者とされる者の終わらない関係 第2回 調査する人とされる人の弁証法

Formations of Class and Gender: Becoming Respectable (Theory, Culture & Society) 作者: Beverley Skeggs 出版社/メーカー: Sage Pubns Ltd 発売日: 1997/07/21 メディア: ペーパーバック スケッグスは、自分のアイデンティティーを認めるだけではありま…

調査する者とされる者の終わらない関係 第1回 調査者を位置づける

イギリスのフェミニスト社会学者、ビヴァリー・スケッグスによる『階級とジェンダーの形成:まともになる』*1は、白人労働者階級女性たちを対象とした、長期間にわたるエスノグラフィー研究です。11年間にわたって、スケッグスは継続教育学校(イギリスの大…