2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧
この連載では、まず、スケッグスが自らの姿を調査の中に位置づけようとしていることを見ました。このことは伝統的な立場からは問題であるとされる可能性がありますが、「フェミニストの視点」理論を紹介することを通して、僕は彼女の試みの正当性を支持しよ…
Formations of Class and Gender: Becoming Respectable (Theory, Culture & Society) 作者: Beverley Skeggs 出版社/メーカー: Sage Pubns Ltd 発売日: 1997/07/21 メディア: ペーパーバック スケッグスは、自分のアイデンティティーを認めるだけではありま…
イギリスのフェミニスト社会学者、ビヴァリー・スケッグスによる『階級とジェンダーの形成:まともになる』*1は、白人労働者階級女性たちを対象とした、長期間にわたるエスノグラフィー研究です。11年間にわたって、スケッグスは継続教育学校(イギリスの大…
前回は、「学校効果」モデルが内包する方法論的欠陥を指摘しました。しかし、もし仮にそのような欠陥を見逃して他よりも「効果的な」学校が存在すると認めたとしても、「学校は公正のための力となりうる」*1と言えるかどうか疑いが残ります。(1)「学校効果…
1. 入学する生徒のバリエーションを統計的にコントロールすることの困難 前回見たように、「学校効果」研究者は「学校効果」を直接測定できるわけではありません。スミスとトムリンソンはこう指摘しています: 学校の効果性を測定する際の基本的な問題は、子…
私たちは人種差別的な社会に生きています。私たちの社会は家父長主義的(男女差別的)でもあり、階層化されてもいます。この現実を前にしての一つの姿勢は、それを「自然」なものとして受け入れることでしょう。日本人は在日朝鮮人よりも、男性は女性よりも…
しかし、女性の間の差異を認めることには、困難が伴います。というのも、そのことは、家父長制に対峙しての全ての女性の潜在的団結を当然のものと見なすことを不可能にするからです。スチュアート・ホールは問うています: その二つのもの――文化的差異と社会…