(元)登校拒否系

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磁気刺激療法体験記 その2



磁気刺激をやってくれるクリニックに初めて行ったとき、まずは現在の主な症状を説明しました。意欲がわかず、何事もめんどくさく感じる。以前なら楽しんでやれていたことに興味がもてない。常に眠気がとれない、などなどです。

その後、「磁気刺激を受けたい」という意思を伝えると、先生はこうおっしゃいました。「うつ病治療の第一選択は薬物療法です。あなたの場合は、薬を飲み始めてからまだ数ヶ月しかたっていないので、あきらめるのは早いと思いますよ。磁気をやるのは別の薬も試してみてからでも遅くないのではありませんか?」。

磁気刺激療法を宣伝しておきながらわざわざこう言ってくるとは良心的だなー、と思いつつも、治療を受ける期待満々で来たので、それでも磁気をお願いしたいと言うと、あっさり「じゃあやりましょう」ということになりました。あとで考えると、上記のやりとりで「患者の強い希望により実施」という事実ができてしまったかもしれませんが、まあいいでしょう。

先生の説明から、ここで受けられるのは「単発刺激」だということがわかり、少しガッカリしました。磁気刺激には一回一回手動で刺激する「単発式」と、機械が自動的に連続で刺激する「反復式」があり、現在の研究では後者の方が効果があるとされているそうです。ただ、先生によると、「単発式」の方が安全性は高いとのことでした。

週に3〜5回程度通って、計10回実施する。1回の料金は4,200円で、保険は利かない。2回目からの分はあらかじめ一括で払ってもらうが、途中でやめた場合は残りの分は返金する。やめたいときはいつでもやめていい、ということでした。

「では隣の部屋に移ってください」と先生が言って、イキナリ刺激してもらうことになりました。隣の部屋には磁気を出す「マグスティム 200」という機械が置いてありました。磁気の影響を防ぐため、財布を出して椅子に座るように言われました。「では始めましょう」と先生が言いました。ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ。

先生は「まずは適切な強さを決めるため、運動野を刺激します」と言って、機械の先端を僕の後頭部にあてました。「右手が動きますよー」と言ったかと思うと「パチッ」という機械の音がして本当に右手がピクッと動きました! 左手も動きましたが。ともかく、手が動くということは、刺激が脳内に達している、ということになるそうです。先生はだんだん磁力を上げていき、けっきょく、MAXの90%でやってもらうことになりました。

先生は「では前頭野を刺激しましょう」と言って、機械を僕の頭の前のほうにあてました。この「前頭野」は感情に関連しているそうです。磁気が出ると「パチッ」と大きな音がしてちょっとした衝撃が頭に来ましたが、痛みはまったくありませんでした。ただ、初体験で緊張のあまり体に力が入っていたせいか、衝撃につられて手がビクッとなったりしました。先生によれば、「たぶん、前頭野に入った磁気が運動野の方にも流れていっているのでしょう」とのことでした。左側に16発、右側に26発、計42発の刺激を受けました。右の方が多いのは、右側への刺激が特に有効、という研究があるからだそうです。全体で5分程度で終わってしまい、けっこうあっけなかったです。

副作用として軽い頭痛があるかもしれないそうですが、僕の場合は受けている最中も、終わったあとも、まったくありませんでした。

終了後、さっそく携帯メールで初台くんに報告すると、「ジキに効果がくるかな?」と返信がありました。さらにしばらくして、「初日から効果の話をするのはジキ尚早かも」というメールが来ました。。。

つづく