「才能あるレジのおばさん」の足を引っぱれ!
才能あるレジのおばさんにはそれ相応の給料を払ったほうが良い
才能あるレジのおばさんにそれ相応の給料が支払われない理由
ポケイーブニン!!
すべての人民のみんな、元気か?
反自由党だよ。
あのな、これから大切な話をしたいと思う。
よく聞いてくれ。
ただし、この話は、資産が10億円以上ある諸君、もしくは1億円以上の資産と3,000万円以上の年収がある諸君を除く者を対象としている。
ということはほぼ全員、99.9%だ。
むかし、お歳暮の時期(ちょうど今ごろだね)に、宅配便の集配所で仕分けのバイトをしてたことがある。
僕は今ではずいぶんと不健康になってしまったけど、当時は体力もそれなりにあった。
仕事内容は、ベルトコンベアーを流れてくる荷物の伝票を剥がしたりラッピングしたり運んだりとかだったかな。
あるとき、流れてくる荷物を荷台に移し替える作業をペアで担当することになった。
それで僕はハァハァ言いながら励んでたんだけど、ふと気がつくと、相棒がぼーっとしてるの。
何もしてないの。
ただ突っ立ってるの。
たしか時給1,000円くらいの仕事だった。
たぶん、僕も彼も同じ額をもらってたと思う。
それで僕は不思議に思い、聞いてみたのさ。彼に。じゃなくてマルクスおじさんに。
ねえねえねえねえマルルン、僕の方が少なくとも10倍は働いてるのにどうして給料が同じなの?
っていうかあいつクビにして僕に倍額払うべきじゃなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくなくない?
そしたらマルクスにいきなりゲンコツ食らったよ。
んざけんな! お前、倍がんばったら自分の価値が倍になると思ってるだろ!
違うよ、逆だよ、倍がんばったらお前の価値は半分になるんだよ!
「なっ なんだってーーー!」
http://d.hatena.ne.jp/toled/20071116/1195221093 ←より使い回し。動画作ってくれた人、ありがと。
より正確に言えば、労働者全体が倍の成果を同時間にあげるようになったら。ということだそうだ。
で、職種によっては個別の労働者のがんばりぶりや能力によって細かく給料に差をつけることもあるし、そもそもどの職業につくかという段階で選抜がある。
そうやって、労働者はお互いに競わされている。
しかしそれはまやかしの競争であって、本当の敵は資本家なんだ。
労働者のがんばりは、労働者間の格差があることによって、一見、自己利益に一致しているように見える。
でもそうやってみんなががんばりだしたら、一単位あたりの「がんばり」の価値はどんどん目減りしていっちゃうんだ。
それで、気がついたら前と同じだけのお金をもらうために、がんばってがんばってもっとがんばってはいそらもうひといきがんばってほらがんばって。
みたくなっちゃうんだ。
そんなのイヤだろ、目を覚ませ、と叫んでマルクスは回し蹴りを入れてきた。
そうなのだ。
人間の潜在能力ははかりしれない。
どこまでがんばれるかわかったもんじゃない。
時給は、資本家と労働者の力関係やかけひきによって決まってくる。
労働者の「がんばりの限界」はそのときの大切な宝で、
みんなで守らなきゃならないんだ。
ということは。
あのとき僕が精一杯がんばる横でぼーっと突っ立っていた彼は、革命家だったんだ。
あれは階級闘争だったのである。
後に僕は、『ハマータウンの野郎ども』という本を読んだ。そして工場労働者がそのような階級意識をはぐくむことにより、適度に力を抜いて働くことを倫理としてきたということを知った。がんばることは仲間たちへの裏切りなんだ。僕は労働者階級の出身ではなかったので、そういう文化コードを持っていなかった。というわけで、宅配便のバイトの相棒のふるまいも「読めなかった」んだ。
というわけで、99%の諸君よ。
がんばるな。
なるべくがんばるな。
がんばってるやつがいたら、そいつの足を引っぱれ!
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